忙しい病棟を走り回っている看護師にとって、ゆっくり座って食事をする時間は皆無に等しいのが現実です。特に緊急対応がある日は、休憩時間さえも削られることが往々にしてあります。結果、唯一休息できる食事時間が、ただのエネルギー補給という作業へと変わってしまうのです。優先順位の高い処置に追われる日々が続けば、食事を楽しむという感覚が少しずつ麻痺していってしまいます。
そんな環境で身についてしまうのが、驚異的な早食いのスキルです。いつナースコールで呼ばれるか分からないという緊張感から、わずか数分で弁当を完食する癖がついている方は少なくありません。噛んで味わう余裕などなく、口の中に食べ物を流し込み、頭の中では次にやるべき業務の段取りを組み立てる、といった状況になりがちです。この習慣がプライベートでも抜けず、友人や家族との外食時に一人だけ先に食べ終えてしまい、驚かれるというのは看護師あるあるの一つです。
しかし、このような食生活を続けていると、消化不良を起こしたり、満腹中枢が働かずに食べすぎてしまったりと、健康面での不利益も増えてきます。どんなに忙しくても、最初の一口だけは意識してゆっくり味わい、脳に食べていることを認識させるのが望ましいです。そのワンクッションだけで、食事で得られる満足感は変わってきます。食事を流し込む癖が付いてしまっている方は、ぜひ日常の中でゆっくり味わう時間を持ってみてください。「今ここ」の食事に集中しながら、五感を使って味わう食事の瞑想というものもあるため、ぜひ取り入れてみると良いでしょう。