看護師の職業病の代表格といえば、どこにいてもあの特有の電子音が聞こえてくる現象ではないでしょうか。勤務中、絶え間なく鳴り響くナースコールに対応し続けていると、脳にその音が深く刻み込まれてしまいます。その結果、自宅で静かに過ごしている時や、買い物中のスーパーのレジの電子音を聞いた瞬間に「あ、呼ばれた」と無意識に身体が反応してしまい、ハッとして現実に引き戻されるという経験は、誰しも一度は通る道です。
さらに厄介なのが、眠りについてからも追いかけてくる幻聴です。夢の中でナースコールが激しく鳴り響き、焦って駆けつけようとした瞬間に目が覚めるという体験はよく耳にします。それは、精神的な緊張が解けていない証拠ともいえます。休日であっても心のどこかで仕事のプレッシャーを感じており、常に待機状態にある脳が勝手に音を作り出してしまっているのでしょう。まさに仕事への強い責任感が、無意識下に染み付いているからこそ、起きることだといえます。
こうした幻聴から解放されるには、仕事とプライベートのスイッチを物理的、あるいは心理的に完全に切り替える工夫が必要です。職場を出たら好きな音楽を聴いて耳をリセットする、趣味に没頭できる空間に身を置く、といった切り替え行動をおすすめします。もし、ナースコールの音が聞こえても「今は自分の時間だ」と自分に言い聞かせ、脳に安心感を与えてあげてください。ナースコールの幻聴とうまく付き合い、徐々に本当の意味で休息できる体制を整えていきましょう。